うつ病になってよかった 対人関係編
うつ病になる以前、私は自分が普通に出来ることは
他の人も同様に普通に出来ることだと思っていました。
もし、できないのであれば、それはその人がしないだけで、本当はできるけど、努力不足なのだろう、という考えがあったと思います。
もちろんそれが見てわかる、年配の方や不自由な方であれば違いますが、見た目が健康な方であれば漠然と思い込んでいたように思います。
しかし夫や自分が病気になり、意外と心の病を抱える人は周りにいる事を知りました。
もちろん心の病だけではなく、自身の体や周囲の人を含めて、なにかを抱えながらも、その大変さを見せていない人は沢山いるのだと気付かされました。
しないのではなく、本当に出来ない。そして出来ない自分を認めてコントロールする事は大変な事。
電車で隣に立っている人も、何気ない風景化していたあの人も、もしかしたら不安で立ってるだけで精一杯の人かもしれない。
なんでもできて、余裕があるように見えていた人も、悩みを抱え続け生きづらさを感じてるかもしれない。
小説のヒロインに、しっかりして芯のある女性が出てきた時、彼女は性格がしっかりしているのではなく、しっかりしなければという気持ちからしっかりしているだけ、という一文があって、はっとさせられた事がありました。
私は自分ばかりにベクトルが向いたまま他者と比較すると、偏見が入り、他の人は楽してこんなにできるのに、自分は要領が悪く、こんなに必死になってもうまくいかない、、と考えてしまいます。
それが、病気になった事で、自分の弱さ、他者の弱さを知る事ができ、みんな頑張って居るんだという仲間意識のようなものが芽生え、自分にも、他者にも優しい気持ちが以前より持てるようになったと思います。
うつ病は厄介な病気だと日々実感します。
でも、うつ病になる前の自分より今の自分の方が人間として好きだと私は思います。